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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ゆめのうち

「ま、我慢して。他はそんな事ないよ…で、どうしたの?何か開けるのも躊躇ってたけど、遠慮して、じゃないよねぇ」


ずるずると麺をすすり、むぐむぐと咀嚼しながらむつは、鼻をひくつかせて寄ってきた管狐の為に、蓋の上に麺を置いてやった。


「うーん…さっきさ、飯には行ったんだ。でさ、定食頼んで味噌汁の蓋開けたら…」


苦いゴーヤと豚こまの揚げ物を噛みながら、颯介は言うか躊躇った。苦味のせいなのか、その時の事を思い出してなのか、顔をしかめた。


「開けたら、そのワカメの味噌汁だったんだけど…ワカメが動いてたんだよ」


スープを飲んでいたむつは、カップを口から放して麺を持ち上げて、くっと笑った。


「それは、運ばれてきた時に揺れたから、でしょ?何を言ってんのよ」


「そうじゃないんだよ。それなら、俺にだって分かる。けど、何かぬるぬるする感じで蠢いてて気持ち悪かったんだよ」


「あーはいはい。で、お弁当の蓋を開けるのも躊躇われたと?」


颯介が意外にも真剣な目をして頷くのを見て、むつは笑みをしまった。麺を管狐用にと蓋の上に、足してやってから悩むように唸った。



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