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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ゆめのうち

いつもより早く行くと、まだ客も少なく颯介は珍しくも奥にある座敷にすすめられ座る事にした。たまには、こんな風にゆっくりしても良いのかな、と思ったりした。


早めに休憩に入れたし、座敷にも案内して貰えたしで、颯介は何とも言えない良い心地がしていた。注文していた鯖味噌定食が届くと、香りにつられてか服の下で管狐がもぞもぞと動いた。それを押さえつつ颯介は早速味噌汁の蓋を外した。


「…っ‼」


外した蓋をすぐに閉めた。襟元から首を出していた管狐が、首を傾げていた。普段なら、そんな風に管狐が顔を出してたら諌める所だが、そんな事に気をくばってもいられなかった。


颯介は、もう1度ゆっくりと蓋を開けようと手を伸ばしたが、結局開けられなかった。味噌の香りで食欲はそそられていたが、もう食べる気にはなれない。


折角、むつが気を遣って早めに休憩入れたのに、座敷にも座れたのに残念だったが、颯介はもう店を出る事にした。

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