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ゆめのうち
「うわっ‼」
引き出しを開けると、ぴこんっと緑色の物が飛び出してきた。颯介は反射的に避けて、後ろの棚にぶつかった。
「いったぁ…」
「何、してるの?」
颯介は床に転がっている緑色の物を掴むと、怪訝そうな顔をしているむつに見せた。
「何それ?」
ぷにっと指で押すと、きゅうっと鳴る蛙のおもちゃだった。颯介は、何度かきゅうきゅうと鳴らして、むつの方に投げた。
「むっちゃんの?」
「あたしはもぅこんなので喜ぶ年じゃあないんだけど」
そう言いながらも、むつは指でぷにぷにと押して、蛙を鳴らしている。
「どっから出てきたの?」
「引き出し…何の悪戯?」
「いや、だからあたしじゃないって」
むつは蛙を投げて、颯介に返した。颯介はそれ以上は何も言わずに机の端に蛙を置くと目当ての資料を取り出した。
「社長かな?」
「やる事がくだらなさすぎじゃない?けど、祐斗がやるとは思えないもんね」
「じゃあ、社長か」
はぁと溜め息をついて、颯介は気持ちを切り替える為にも苦いコーヒーをすすって、キーボードを打ち始めた。




