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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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よっつのこわい

受け取ったむつは、中身を取り出して少し驚いたような顔をしたが、すぐににっこりと笑った。


いつか水族館に行った時に、冬四郎がむつに買ってやったカクレクマノミのぬいぐるみだった。


「やっと渡せて良かった。けど、弁当箱はまだうちだ…忘れてた」


「なら、マフラーもまだあたしが持ってようかな?そろそろ必要?」


「いや、まだいいよ。必要ならお前が使えばいいしな…後はこれ」


冬四郎はポケットから何かを取り出した。それは小さいのか、冬四郎の手の中にすっぽりとおさまっている。何かも分からないまま、むつはぬいぐるみを脇に抱え両手を差し出した。


「何、これ?」


「鍵だよ。見れば分かるだろ?」


「そりゃ分かりますが…何に使う鍵?」


「うちの合鍵だよ。お前のも寄越せ」


きょとんとしていたむつだったが、ぱたぱたとスリッパを鳴らして部屋に入ると青いビニール袋を持って出てきた。


「これ、水族館行った時の…と鍵」


「ストラップか?」


袋から出てきたのは、緑色の玉が連ねられているストラップだった。


「そうそう、あたしは栞につけて使ってる」


冬四郎はポケットからプライベート用の携帯を出すと、その場でつけた。そして、鍵はキーケースにつけようとしている。


「これ、何だよ誰用のつもりだ?」


何かのキャラクターのキーカバーのついてる鍵は、なかなかキーケースにつけれなく苦労している。


「んー?彼氏用?」


むつが言うと冬四郎は手を止めた。


「なら、俺が持ってたら困るだろ?」


「まだしばらく出来そうにないから、大丈夫。彼氏出来たら返して。それまで預かってて」


「…そう、か?まぁ俺が認められるような彼氏なら、その時に鍵渡してやるか」


冬四郎はそう言って笑った。


「そう言えば、1泊2日なのに4つの怖いものに見事に当たったよね。火事はまぁあれだし、あたしからしたらお父さん怖くないけど」


「俺からしたら、兄3人と父さんで4つだな」


ようやくキーケースにむつの部屋の合鍵を付けた冬四郎は、それをむつに見せてにっこりと笑った。むつも冬四郎の部屋の合鍵を大切そうに、胸の前で抱き締めるように持っていた。

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