よっつのこわい
むつの姿の式神が灰も残さずに消えると、雷獣は地面に落ちた。そこでようやく、むつが消えた事にも気付いたのか、きょろきょろしている。
冬四郎の方に駆け寄り、ふーっと牙を剥き出している。
「本物ならこっちに居る」
冬四郎が避けると、むつの姿が見えた。雷獣はそろそろと近寄ると、むつの足にすり寄った。
「よしよし、ごめんね。痛かったね」
むつが抱き上げ、頭を撫でた。雷獣はきゅんきゅんと鳴いて甘えている。引っ張った尻尾と尻の辺りを撫でると、びくっとした雷獣が小さく稲妻を発した。
「うおぉ、何で俺だよ‼」
その稲妻は冬四郎の方に向かっていた。
「2回目はむつだぞ」
「最初はしろーちゃんだからだよ。けど、見て確実に上に来てるよ」
冬四郎とむつは空を見上げた。雷雲は、稲妻を発生させながら、真上辺りに来ていた。光と共にどんっと大きな音もしている。
「さ、お空に帰れるよ」
むつは雷獣の鼻に自分の鼻を押し付けて、ぐりぐりしている。雷獣も嫌がってないのか、爪はたてずにむつの顔にぺしぺしと前足を当てながら、大きく尻尾を振っている。
「ハクビシンみたいな見た目でも犬だな」
「あぁ可愛い‼」




