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よっつのこわい
「投てき的な感じで…投てき的?日本語おかしいね、ふふっ。そう投てきみたいに、この子を投げる。で、との鳥を使ってさらに押し上げるっていうのを考えてる」
少し笑ったかと思うと、きゅっと表情を引き締めてむつは説明をした。本人はとても真剣そうだが、冬四郎からしたら何もしなくても良いんじゃないかと、思ったりもした。
「投てきって、ハンマー投げみたいにか?」
「そうそうそう。しろーちゃん陸上部だったし出来るでしょ?」
「陸上部だったけど、中距離な。それは良いとして、確実に上で拾ってもらえる可能性はどうなんだ?」
「かなり低いんじゃないかな…雷雲がまず戻ってきてくれないと」
むつは心配そうに外を見た。雷は少し離れた所で、ぴかっとたまに光る程度で、雨も止みそうになってきている。
「雷獣さん、雲の上に仲間は居る?」
雷獣は首を傾げている。言われてる事が分かっていないのか、それとも仲間が居るかどうか分からないのか。
「他の方法ないのか?」
「例えば?」
「もういっその事、そいうを飼うとか」
冬四郎の言葉に雷獣が、丸い耳をぴくぴくと動かしている。




