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よっつのこわい
「この前は悪かったって本当に」
「もういいよ。それよりさ、何で急にしろーちゃんも西原先輩も不機嫌になったの?」
柔道場での事を思い出したのか、むつがついでのように聞いた。すると、冬四郎は眉間にシワを寄せた。
「それはあれだ…やけにお前らが普通の関係じゃないっぽかったからな。不機嫌ってより…うん。俺は谷代君とじゃ賛成出来ないって思ってだな」
「お兄ちゃんからお父さん的な役になったってわけね。しろーちゃんはそれで分かるけど、先輩も?」
「西原君はヤキモチだろ」
ぬかるんだ庭を、冬四郎の持つペンライト1つで照らして歩きながら、むつは不思議そうな顔をしている。
「西原君も谷代君とむつが付き合ってると思ったんだろ。それで…?いや、そうなのか?」
何かに気付いたのか、冬四郎は1人でふーんと言い腑に落ちないが、納得している様子だった。
「変なの。それより、あそこ」
むつが顎をしゃくった先には、大きくはないが、しっかりとした作りの所謂、倉があった。
「空いてるのか?」
「空いてる…ってよりそこに鍵がある」




