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よっつのこわい
「家の中に用はないよ。奥の倉に」
「何があるんだ?」
むつから傘を受け取った冬四郎は、真っ暗な庭を見渡した。初めてではないが、あまり来た事のない場所で、どこに何があるのか分からない。
「上着からペンライト取って」
冬四郎はむつが着ている自分の上着から、言われた通りペンライトを取り出した。ボールペンサイズのわりに、光は強く辺りをしっかり照らしてくれている。
「しっかし今回は最悪な帰省になっちまったな」
「そうねぇ…本当なら今頃テレビ見ながらごろごろ夜更かししてたはずなのに」
「そうだな。俺はこれはこれで楽しいけどな。何か親にバレないように家抜け出すなんて、高校生みたいだしな」
立ち止まったむつは、じっと冬四郎を見上げた。
「迷惑じゃないの?何か、あたしのお守りみたいになっちゃってるし」
「そうでもないぞ。毎日のように家に居て、ランニングして筋トレするだけより、全然楽しいけどな」
「それで、か…ちょっとお腹引き締まってる感じだったから」
「よく知ってるな」
「誰かさんが、タオル1枚で出てきたからね。それに、入れ替わりの時にも少し腕が太くなってた気がしたの」
嫌な事を思い出したのか、むつは眉間にシワを寄せた。そして、首を横に振ると歩き出した。




