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よっつのこわい
家の真上あたりで轟音がした。むつは光と音のたびに、びくびくしているが目を反らさない。だが、そっと窓から離れると足音を立てずに廊下に出た。
どこに行くのかと冬四郎が見ていると、しばらくしてむつは傘と長靴を持って戻ってきた。完全に外に出る気満々だった。
「どこ行く気だ?」
「外」
見れば分かると言いたかったが、冬四郎は思うだけにしておいた。
「俺のは?」
「え?行くの?」
「日付も変わった時間に1人で外に出すわけには行かないだろ。こんな天気だぞ」
ふぅん?と言いながらむつは、再び玄関に戻ると長靴と傘を持ってきた。
「よく長靴なんてあるよな…2足も」
「町内会のお掃除の時にって買ったんだって。それより、何か来た?」
「俺に分かるかよ」
ですよね、と言いむつは空を見上げた。真上で鳴っていた雷は少し遠退いたのだろうか。光はするが音はしない。




