よっつのこわい
リビングでは、カーペットの上に移動したむつが寝転んでテレビを見ていた。
「お前なぁ…風邪ひくぞ」
「そしたら看病しに来て良いよ」
「偉そうに言うな」
冬四郎は冷蔵庫から缶ビールを出し、再び呑み始めた。むつは、仰向けになりそれを目でおっていた。
「よく呑むよね。いつもそんなに呑んでるの?」
「普段なら1本呑むか呑まないか、だな」
ソファーに座らず、冬四郎もカーペットの上に座りごくごくとビールを飲んでいる。
「お兄たち誰も居ないね」
「そりゃ、みんな忙しいんだろ。結婚して家出たり、夜勤だったりなんだからな。急に来たんだから、会えないのは仕方ないだろ?会いたかったのか?」
「うん、ちょっとね。けど、上の3人のお兄たちとは歳が離れすぎてて…昔からそんなに顔会わせてないから気まずいのもあるけど。居ないと寂しいかなぁ」
「末っ子は甘ったれだな」
「末っ子扱いで良いのかな、って疑問は若干あるわよ」
起き上がったむつは、氷水を一口飲んだ。むつの疑問に冬四郎はどう答えたらいいのかと、悩んだあげく何も言えなかった。
「ん、雨?」
「天気悪かったもんな。冷えそうだし、何か羽織るものいるか?」
「今は大丈夫」
コップをテーブルに戻したむつは、再びごろんっと寝転んだ。そして、ずりずりと動いて冬四郎の足の上に顎を乗せた。
「あと12時間もしたら、戻らないと行けないんだよね…2人と話そうかなって思ったりもしたけど」
「もう少し間を空けてにしてやれよ」
「そのつもり。ちゃんと理由が言える決心がつくまでは、話はしない。それだけは、お母さんに言った」
「何か言ってたか?」
「しろにぃにもまだ話してないのかって聞かれた。しろーちゃんにもまだ話す気はないよ」




