よっつのこわい
夕飯は冬四郎とむつが好きな物ばかりが、並んでいた。久しぶりの母親の料理に、冬四郎もむつも自然と箸がすすんだ。
食事を終え、冬四郎がリビングでゆっくりタバコを吸っていると仕事を終えたのか父親が、やってきた。冬四郎の隣に並んで座ると、やはり親子だからか雰囲気も顔立ちもよく似ている。
「お母さん。お土産を開けないか?」
「まぁ…冬四郎も?」
「んーなら、少しだけ付き合いましょうかね」
キッチンで母親と片付けをしていたむつは、声には出さなかったが母親と顔を見合わせて笑った。
「お母さんも後やるからゆっくりして」
「むつさんがそんな事を言うようになるなんて…何だかおかしいわね」
母親は、むつが渡した紙袋をそのままリビングに持って行った。そして、父親と一緒に開けている。むつはその間に、ワイングラスを3つ出すと、軽くすすいで拭いた。
「まぁ木の箱に入ってるなんて…高級そうね。どこで買ってきたの?」
「それは、むつの知り合いの人が経営してる店で買ってきたんだ。…前にもむつが送ったんじゃないか?」
「あれか。うん、美味しいワインだった」
父親は待ちきれない様子で、木の箱を開けてワインを取り出した。
「この前のとは違うやつか」
「同じのじゃ、つまらないでしょ?お母さん、チーズとかも入ってるでしょ?貸して。切ってくるよ」
グラスを置いて、むつはチーズや生ハムの箱を受けとるとキッチンに戻っていった。




