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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あこがれとそうぐう

「この子が、その喋る猫ですか?」


「えぇ…」


その猫を前にしてか、篠田は歯切れ悪く言った。どうやら、女の霊よりもこの猫の方が気味悪く感じているのだろう。


「んー?おちびさん、お名前は?」


むつは黒猫に話し掛けた。だが、当たり前のように、猫は返事などしない。それでも人の言ってる事を理解しようとしてるのか、むつの顔をじっと見ている。


返事がないと諦めると、篠田の方を見た。


「こさめ、です」


「こさめ、ちゃん?女の子ですね?」


篠田は頷いた。落ち着きを取り戻すかのように、コーヒーを飲んでいる。


「何歳ですか?」


「10、11歳でしょうか…」


「それにしても珍しいですね。こさめちゃんが、自分から出てきて大人しく抱かれてるなんて」


今まで黙っていた冬四郎が、むつの抱っこしているこさめの頭を撫でた。こさめは、嫌がるように身をよじった。


「あ、そういえば…普段はかなり人見知りするのに」


膝の上にこさめを下ろし、むつは耳の辺りをかりかりと撫でてやっていた。こさめは、気持ち良さそうにぐるぐると鳴いていた。


その様子を篠田は気味悪そうに見ていた。


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