よっつのこわい
冬四郎は腰にタオルを巻いたまま、キッチンに入ると電気ポットに水を入れスイッチを入れた。
鳴る事はないと分かっていても、一応は仕事用の携帯とプライベートの携帯を開いた。やはり着信もメールもない。冬四郎は、ローテーブルのパソコンを立ち上げた。こちらには、メールが来ていた。
お湯が沸き、ポットがかちっと音をたてた。冬四郎はコーヒーを入れにキッチンに戻り、すぐに戻ってきた。
タオルを巻いたままクッションに座り、メールの確認をした。知らず知らずのうちに、冬四郎の口元には笑みが浮かんでいた。
コーヒーをすすりながら内容を読んで、すぐに返事を返した。すると相手は待っていたのか、すぐに折り返し返事が来た。
冬四郎は、コーヒーを口に含んだまま少し固まっていた。1度読んだ内容をもう1度最初からゆっくりと読んでいく。
「い、やべっ」
パソコンをそのままに慌てて立ち上がったが、その時玄関のチャイムが鳴った。
リビングのドアフォンを取ろうとしたが、やめてそのまま玄関のチェーンを外した。ドアを開けると見慣れた、女の子が立っていた。少し仏頂面だったが、それはいつもの事だった。
「おはよう」
「おう、おはよ。悪いゆっくりしてて」




