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ちぇんじんぐ
「どんな問題でもあり?」
「そこはご自由に」
すでに1問目で勝っているからか、男は余裕そうに笑みを浮かべている。それを見て祐斗も、にやっと笑った。
「あそこに女の子居るの分かります?」
「あのほっそりした美人さん?見えるとも」
「じゃ、よく見てください。…良いですか?」
男が頷くと、祐斗は男に後ろを向くように言った。そして、むつ(祐斗)を呼ぶと男の目を塞ぐように言った。
「何をするつもりかね?」
「すぐに分かりますよ。こさめさん…ちょっとお手伝いを」
祐斗が手招きをすると、何をするのか分からないままに、こさめはやってきた。祐斗はポケットから4枚の人の形に切った紙を出すと、こさめと何か小声で話している。
「大丈夫なの?」
「いける、ぜーったい大丈夫」
むつ(祐斗)は、祐斗とこさめが何をしてるのか気になって仕方ないのか、ちらちらと後ろを振り返っている。
「よし、おっけー。祐斗ありがと…では、こちらを向いてください」
振り向いた男は、驚いたようで目を大きく開いた。それもそのはず、1人しか居なかったはずのこさめが目の前に5人も居たのだ。どれも同じ顔に同じ服だった。




