ちぇんじんぐ
二人のちぐはぐな行動に、山上と颯介は首を傾げつつも奥のソファーに座った。むつを手伝いに行った祐斗が、お盆に人数分のマグカップを乗せてやってきた。
祐斗はマグカップを置き、ソファーの後ろの窓を開けた。そして、灰皿を置くとタバコをくわえた。
「ちょっと‼むつさん、俺はタバコ吸わないんすよ」
「うるさい。あんたこそ、あたしはブラック派なの‼そんなに砂糖入れないでよ、太る‼」
慣れた手付きでタバコを吸うも噎せてる祐斗と、コーヒーにざばざばと砂糖を入れミルクを足してるむつ。
そんな二人を見て、山上と颯介は呆然としている。
「本当に祐斗君がむっちゃん?」
タバコを吸うのを諦めたのか、祐斗は山上の隣に座った。しっかりと足を閉じて、少しだけ斜めにしている。
「そうよ。あたしがむつ。あっちが祐斗」
祐斗とむつは溜め息をついた。
「朝、起きたら中身が入れ替わってたの」
祐斗は助けを求めるように、山上と颯介を見た。だが、二人とも悩んでいるようだった。
「本当か?二人でやってる、おふざけじゃなくて?」
山上が、からかうように言うと祐斗が、ばちんっと山上の太股を叩いた。
「痛そう…」
むつ(祐斗)は山上が、顔をしかめて太股をさするのを哀れむように見ていた。




