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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
1309/1310

みなうちに

「何だ、あいつら…俺らは仲間外れかよ」


「交代したのに何もしないからですよ」


「みやも何もしてないだろ?」


「俺も西原君も最初から部外者ですし、交代した覚えはありませんからね」


冬四郎がしれっと答えると、西原は苦笑いを浮かべた。確かに冬四郎も西原もよろず屋で働いているわけではないから、部外者なのかもしれない。だが、西原の持っている人形が今回の事を教えてくれたのだから、全くの無関係とも言いがたい気がしていた。


「お、ぺら子?どこ行くんだ?」


西原が人形を肩から下ろそうとすると、人形はその手を逃れて床に降りた。西原の声に反応してか、顔を見て首を傾げるような仕草は、ペットのようにも見えてくる。だが、のっぺらぼうの人形からは考えている事が全く読み取れない。


人形は倉庫の方を指差すと、ぱたぱたと走って行ってしまった。どうやら、むつの側の方がいいという事らしい。ここで山上と冬四郎を置いて向こうに行く勇気の出ない西原は、素直に動ける人形が羨ましくてならなかった。そして、変に気を遣ったりせずに、むつの方に行けば良かったと、後々思う事になるとは思いもしなかった。


人形が行ってしまって、しばらくすると倉庫の方からむつの声がした。出てこようとはしないが、来るようにと3人を呼んでいる。


「ったく…何なんだよ」


山上は文句を言いながら、冬四郎と西原を連れて倉庫に向かった。だが、その山上の足取りは重く2人の後ろからついてくる感じとなっていた。

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