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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

むつから連絡を受けて呼び出された颯介、祐斗、片車輪が揃うとむつはにんまりと笑みを浮かべた。だが、まだ京井と共にキッチンにこもったまま、誰も中には入れようとしなかった。ただ、こうばしい香りが、事務所内に充満しているだけだ。


「呼び出されましたけど…何なんですか?皆さんお揃いですし…むつさんは京井さんと何かしてるみたいですし…」


アルバイトの祐斗は大学の帰りだったのか、重たそうなリュックを置くと、椅子を引っ張ってきて座っている。


「さぁ?片車輪も呼び出されたのかな?」


休みのはずの颯介は、片車輪と今年は会うの始めてだね、と新年の挨拶をのんびり交わしている。そんな颯介も祐斗同様に、椅子を持ってきて座っている。ソファーには体格のいい男ばかりが居て、とても座る気にはなれなかったのだろう。


「わしは京井さんと約束してたんやけどな。何でか、むつちゃんに来い言われたんや…しかも、ほんまに来いの一言だけやで?ひどない?」


「理由も聞かされずに?理由を聞かされてないのは俺も、たぶん湯野さんも何じゃないかな…社長は何か知ってますか?」


冷めきったコーヒーを飲みながら、山上は曖昧に頷くだけで何も言わない。もしかしたら、山上もちゃんとは知らないのかもしれない。だが、むつが説明も何もしないのは、今に始まった事ではない。祐斗は諦めたように溜め息を漏らした。

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