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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

ドアの前に居た大柄な男は、むつの顔を見て柔らかく微笑んだ。むつを産んだ母親の知り合いである、犬神の京井遥和はそっとドアを閉めた。


「急にすみません…明かりがついてましたから、残業でもされているのかと思いまして」


「ま、残業かな。遥和さんは?」


「私は…むぅちゃんの家に行こうかと思っていた所なんです。連絡してませんから、事務所にもし居たらと思ってことらを見に来て…」


「うちに?どうしたの?」


「実は片車輪と会う約束をしてまして…その前に、少し顔を見ていこうかなと」


微笑みながら恥ずかしげもなく京井はそう言うと、むつの顔を覗きこむように見た。


「あまりわゆっくりされてないんじゃないかと思ってましたが…お顔色は悪くなさそうですね。片車輪から聞きましたよ。変なチョコレートをお渡しになったそうで」


意味ありげに、にっこりと笑われるとむつは笑って誤魔化すしかなかった。冬四郎は知っているが、山上と西原には話していない。だが、片車輪は言わずとも祐斗からたくされたチョコレートが、どんな物だったか分かっていたようだ。


「まぁ…ね。バレンタインまではまだあるから、遥和さんにはちゃんと渡すつもりよ?あれは義理だもん」


義理だとむつがはっきり言うと、西原ががっかりしたような顔をしていた。


「そうですか?楽しみに待ってますね。所で、お夕飯はもう済ませましたか?」


「うん、さっき食べてきたよ」


「…やはり、連絡入れるべきでしたね」


京井はそう言いながら、むつに紙袋を差し出した。むつは首を傾げながら受け取ると、すぐに中身を見た。

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