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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

調べに行くと言ってむつが倉庫に入っていくとすぐに、がたがた、がしゃんっと大きな音がしてきた。続いて、むつの怒ったような声と、痛いっという声も聞こえてきていた。だが、どたばたと暴れるような音は、あっという間に聞こえなくなった。


山上が驚いて様子を見にと立ち上がったが、むつはすぐに出てきた。長く垂れ下がっている三つ編みに、人形がしがみつくようにぶらさがっているし、むつは不機嫌そうな顔をしている。


「…む、むつ?どうした?」


「小鬼が出た…ぺら子っ‼あんた…ネズミを見付けた猫みたいに暴れまくって‼全く…」


三つ編みを持ち上げてむつが怒るものの、人形は悪びれた様子はない。ぶらぶらと三つ編みに掴まり、むしろ怒っているむつをなだめるかのように、ひらひらと手を上下させていた。


「本当にもうっ‼先輩のしつけが悪い」


「お…俺のせいじゃねぇだろうが」


ぶらさがっている人形を掴むと、西原の肩の上に置いたむつは、どかっとソファーに座って、ずるずるとコーヒーを飲んだ。


「また小鬼か?多いな…ネズミ取りでも仕掛けておいたら捕まるか?」


「…無理でしょ。ってか、去年こんな事あった?小鬼がちょろちょろするなんて」


「去年はそんな事もなかったな」


イライラしているのか、むつがタバコを吸い始めると、冬四郎がそっと窓を少し開けた。冷たい風が入ってきて、むつの頬を撫でたからか、怒りも冷めてきたようだった。


「小鬼…鬼か…むつは鬼を知ってるか?」


「会った事は…あ、あるわ。地獄の使者みたいなもんでしょ?魂があっちこっち行かないように整理するっていうか…役所の職員みたいなイメージだわ」


「…そんなイメージはないけど。そんな鬼が何で、ちびっこでもうろついてんだろうな?」


「さぁ…?」

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