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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

「…ほらぁ‼うちの子苛めないでよ‼」


むつの手の中に隠れるようにして、人形は泣くかのように手で顔をおおっている。目も口もないそれが、そんな仕草をすると嘘泣きにしか思えない。そもそも、人形が泣くかどうかも分からない。


「嘘泣きさせんなよ…人形劇か」


「あたしがさせてるわけじゃないもん。まぁ…好調に能力使ってた頃は、話し掛けて都合いいように頷かせたりしてたけど…」


「そんな事してたのか…寂しいやつめ。で、今はお前の意思に反して動いてるってわけか?」


「反してるとは言わないけど…あたしの干渉がなくても動くわね。言った所で信じて貰えるかは分からないけど。意思通りになんて…動かし方も忘れちゃったわよ」


それだけ長い間、能力を使っていないのだとむつは呟いた。能力があっても悩むが、使えなくなっても悩む。どちらにしても悩むのかと、むつは苦笑いを浮かべていた。


「まぁ何でもいいけどさ。ね、おはよ。何だか会うのも久しぶりね。2ヶ月ぶりくらい?先輩所はどう?慣れた?」


むつが話し掛けると、ひょこっと顔を出して西原の方を見た。そして、むつの方を向くと大きく頷いた。どうやら西原の所は居心地がいいのだろうと思ったむつは、良かったと笑みを浮かべていた。よほど、西原は大切にしていてくれるのだろう。意外とこまめなのを知っているだけに、居着くのにいい場所になったようだとむつも一安心した。

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