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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

「…それより、むつ。どうやったら、その子が教えてくれるんだ?そもそも西原が持ち歩いてた子なら、ここで何があったのか分からないんじゃねぇか?」


「かな?でも、棚の下に居たのよ?ここに戻ってきた時、居たって事はさ先輩に掃除を手伝って貰ってる時に落ちちゃったか、自分から出たかのどっちかじゃないかしら?戻ってきた時に、いち早く倉庫に入った可能性も無きにしもあらずって感じだけどさ」


「いち早く、そいつが倉庫に向かったとしても何かを察したからだろうな…ってなると、何か知っててもおかしくないか」


「うん。それに、倉庫の子たちは話してくれないもの…この子くらいよ話してくれるの。って言っても筆談だけどさ」


むつは自分の人形が動き出すのを待っているようだったが、手のひらに乗ったままで立ち上がる事はない。むつは期待しているようだが、他3人はどうやらそうでもないらしい。山上に至っては、能力の使えないというのに、むつの人形が動き出すはずがないと否定的だった。


「…動かない」


「動かないな。寝てるのか?」


西原は人形の腹を指先でかくように触っている。だが、それがくすぐったいはずがない。ぴくりともしない人形は、ひらっとテーブルの上に落ちた。むつと西原は、それでも人形が動くだろうとじっと見ていた。


「…動いても困るだろうが。お前の手を離れてる人形なんて危なっかしくて、置いておけねぇよ」


テーブルの上に落ちた人形を拾った山上が、やぶるかのように持った。むつと西原が、同時にあっと声を上げたが山上はそれを無視した。


「待ってっ‼」


むつが叫ぶように言うと同時に、人形は足を持ち上げて山上の指を蹴った。そして、難なく逃れると逃げるようにしてむつの元へとやってきた。

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