みなうちに
「おーい、むつ。みやと西原も…ってありゃ?おーい、むつやーい。どこ行ったんだ?」
むつが出てこないからか、様子を見に来た山上だったが、むつの姿がないときょろきょろしている。
「あれ?どこ行ったんだ?おーい…おおっ!?」
きょろきょろしながら倉庫に入った山上は、足元に気をつけていなかったからか、何かにつまずいた。転びはしなかったが、勢い余るようにして壁に手をついた。
「だっ‼」
「なっ…何だよ…ん?」
足元を見た山上は、ぎょっとした。ぺったりと床に寝そべったむつが、棚の下に手を入れて何かを取ろうとしている。
「もう…!!あ、後ちょっと…くっそ…おいで‼来いっ!!おいでってば…おいで‼動けるでしょ?」
「な、何してんだ?」
「うちの子が居るの。先輩は?帰っちゃった?せーんぱーいっ‼せーんぱいってばぁ‼」
腕を伸ばしながら、むつが言うと呼ばれた西原がやってきた。そして寝そべっているむつを見て、何をしているんだと言いたげな顔をした。
「うちの子が下に居るの。取ってくれる?もう…何でここに居るのかしら?」
「お前で無理なら俺じゃ無理じゃないか?」
「リーチが違うでしょ?」
立ち上がったむつは交代と言うと、西原の胸をぽんぽんと叩いた。西原は渋々といった感じで、脱いだジャケットをむつに持たせると冷たい床に寝そべった。そして、むつがしていたように棚の下に腕を突っ込んだ。




