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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

山上が出ていくと、むつはざっと片付けをして倉庫の中を見渡した。曰く付の物しかないとは言えど、この倉庫に居る物たちは何かをしでかしたりはしない。したとしても、ほんの少し構って欲しくてちょっかいを出す程度。今朝のような酷い扱いを受けたのは、今日が初めてだった。


「…今日は色々な事が起きすぎてるわね。皆の様子がおかしかった事と関係してるのかしら?」


普段の様子とは違いすぎる事といい、事務所内が荒らされた事といい、落ち着かない1日となっている。


「本当は皆のいい子なのに…」


今朝の事を思い出しながら、むつは溜め息を漏らした。年末には化け狐の作った酒を貰いに行った際に、他の妖たちから守るようにして側に居てくれたような、優しい物たちばかりなのだ。それが今日に限って。そして、そんな時に限って、よくない事が続いている。不安になったむつは、ここに残る事を決めたが、やはり不安はあった。


「…うちに不満があるなら言って欲しいな。出来る事ならするよ?って、話し掛けて答えてくれた子、今までにも居なかったなぁ」


誰からも返事がないのに、むつはぶつぶつと1人で喋っていた。そして疲れたように壁にもたれると、ずるずると座り込んだ。


低い位置からだと、見慣れた物でも新鮮な気がした。それは見る角度が違うからだろうか。むつはそんな事をぼんやりと思いながら、倉庫の中を見回していた。


「…ん?」

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