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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

勢いよくドアを開けたむつは、電気もつけずに中に入っていった。後から来た山上が電気をつけた時には、むつは床に落ちている物を拾い上げていた。


「むつ?」


「…壊れてない。良かった」


ぎゅうっと抱くようにして持っているのは、いつか篠田の家から回収してきたクリスタルの球体の中に、マリア像がある置物だった。


「無事で良かった…」


それを撫でながら、むつはそうっと棚に置いた。昼間に西原と片付けたばかりだというのに、置物はあっちこっちにあり床に落ちている物も多い。むつはそれらを1つずつ拾うと、壊れた所はないか傷はないかと確認していた。


「…今日は帰らない。ここに居る」


「おいおい…でも、そうだな…1日に2回もこんな事になってたら心配だしな。いくら金目の物ばかりじゃないとは言えど」


「うん…うちで引き取ったからには、この子たちには安全に居て貰いたいからね。本体を持って逃げ惑うなんて危ないし」


「おーい、みや、西原。お待ちら帰れ」


むつが置物が片付けている間に、山上は出ていくと冬四郎と西原にそう声をかけた。2人は現場検証をするかのように、あちこち見ていた。だが、山上からそう言われて少し険しい表情を浮かべた。


「…人の仕業じゃないからですか?」


「お、西原は鋭いな。その可能性のが高いからな。むつは、ここに残るってるから俺も残る」


「それなら、俺も居ますよ」


西原がすぐに言うと、山上は否とは言わない。冬四郎に向かって、お前はと視線を向けていた。だが、西原が残るのに帰るとは冬四郎が言うはずがなかった。

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