ちぇんじんぐ
むつと祐斗の困った顔を見ながら、颯介は腕を組んで悩んでいた。確かに二人の指に収まっている指輪は、ゆるゆると動いている。だか、抜こうとすると隙間がなくなったかのように全く動かない。
「指輪に意思でもあるのか?むっちゃん何か感じる?」
「全く」
「仕方ない。さっきの店に戻って、聞いてみようか。何か分かるかもしれない」
颯介に促され、むつと祐斗は再び来た道を戻っていく。金曜日の夜なのに、ここら辺は人通りがあまりなく寂しい。それがまた、何となく三人を不安にさせていた。
「あれ?この道だったよな?」
「うん…店なくなってるね」
路地に入り、露店があった辺りを三人はうろうろしながら店を探した。
「帰っちゃったんすかね」
「片付けんの素早すぎない?」
とりあえず三人は、路地を歩き回ってみた。だが、それらしい人も露店もない。
「居ないなら仕方ないか。とりあえず、抜けなくても死なないし。困る事もないだろ?」
颯介にそう言われ、むつと祐斗は頷いた。
「帰ったら石鹸の泡で抜けるか試してごらん?これでダメなら、明日考えよう」
「そうだね。明日なら社長も居るだろうし、帰ろっか」
そう結論を出すと、酔いがすっかり覚めた三人は駅に向かい。各々、帰宅していった。




