表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
1271/1310

みなうちに

暖房をつけて戻ってきたむつは、寒そうにしている。つけたばかりだから、すぐに暖かくなるわけではない。それは分かっていても、つけただけで気持ち的にマシと言えるものだ。


「…やっぱり倉庫の方がひんやりするね。あっちのが暖かい」


「日当たり悪いからじゃねぇか?倉庫で何かするわけじゃねぇからな。体温で暖かくなるって事もねぇし」


「うん…皆、寒いよね。ストーブ置いてあげたいけど、危ないもんね」


「…そうだな」


人ではなくても寒い物は寒い。そうと分かっていても、何もしてやれないとむつがしょんぼりすると、山上はほんのりと笑みを浮かべた。何に対しても優しすぎるむつは、だから傷つきやすいのだと山上は分かっていた。だが、そんな事は言わない。それがむつの良い所だからだ。


「ね、とりあえず片付けしよ?このまんまじゃ何にも出来ないし。この子たちもこれじゃあんまりだわ」


所定の位置にないだけではなく、折り重なって置かれていたりもする。そのままでは、扱いが雑すぎるとむつは言っている。


「それもそうだな。俺の出番は無しで、むつ倉庫頼むぞ?西原もこっちな」


「えー」


「さむーい」


「…西原、お前言う事がむつにそっくりになってきたな。声聞いてなきゃどっちがどっちか分からなくなりそうだ」


「似た者夫「違う」


みなまで言わせないむつの否定にもめげない西原は、くすくすと笑うと床に落ちている箱を拾い上げた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ