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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

倉庫に入るなり山上は、うわっと声をあげた。むつからの報告があった通り、置いてある物は所定の位置にはない。掃除で動かしたにしても、こんなに移動はさせていない。


「…何かあったんだな」


「された可能性もあるけど、うちの子たちって自分で動けるからね。何かが来て、逃げ惑ったのかもしれない。本体壊れたら…さ」


「確かにそうだな。仮に俺らが動かしたにしても…定位置に勝手に戻るからな。お気に入りの場所決まってるみたいだしな」


「そうそう。見映えよくって並べてても、気に入らない時は勝手に移動してるもんね」


「だな。掃除の間は勝手に動かないからな…邪魔しないように気を遣ってくれるからな」


よろず屋に置かれている物は、どれも曰くつきと言われる物ばかりだ。それも本当の本物だった。普段何かするわけではないが、夜中になれば時たま騒いだり倉庫から抜け出したりしている。むつも山上もそれは承知していても、問題を起こすわけではないからと、そっとしていた。


そんな物たちが、明るいうちに自ら動いたとなれば、余程の事があったに違いない。自ら動いたとなれば、身を守る為だったに違いない。むつと山上はそう考えていた。何しろ、物に憑いているのだから、それが壊されてはそのまま死を意味するのだから。

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