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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

「…さて、何も盗られた物はないけど…うーん…皆、場所が違うわね。動かされたのかしら?」


「お前は置場所まで把握してるのか?」


冬四郎が呆れたように言うと、むつはびしっと人差し指を立てた。そんな仕草をされるとは思いもしなかった冬四郎は、おっと驚いたような声をあげて、少し笑った。


「勿論‼配置は大丈夫よ‼見せ方があるもの」


むつがそう力説すると、冬四郎は棚に並んでいる物を見た。何が何だか分からないが、見ているとぞわぞわと寒気がしてくる。そんな物に対して、むつは見せ方があると言っているが、ここに並んでいるのは商品ではない。だから、見せ方と言われてもぴんとくるものがない。


「…そ、そうか?」


「そうなの‼並んでる順番で見た目が変わるでしょ?ごちゃごちゃするより、すっきりさせたいの」


「…そ、そうか…うん、そうだな…」


「むつは本にカバーかけてても、何の本なのか分かるタイプなんですよ。厚さと配置で覚えてるとかで。お気に入りの物の配置は神経質なくらいにこだわりますからね」


話が聞こえていたのか、西原がいつの間にかドアに寄り掛かるようにして立っていた。その顔は、にこにことしていた。


「…そう、なのか?」


冬四郎はむつのそんなこだわりを知らないからか、どう反応したらいいものかと悩んでいる様子だった。そんな冬四郎を残して、むつは山上の元に向かった。

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