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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

「まぁまぁ…いいじゃないですか。俺も宮前さんも、ここの事が心配だから来たってだけですよ。お世話になってますしね」


西原が冬四郎に同意を求めるように言うと、冬四郎はそうだなと頷いた。だが、2人がむつが言うから来たのだと分かりきっている山上は、こっそりと溜め息をついていた。


「むつ、久しぶりだな。帰って来てるっていうのに顔も見せてくれなかったな…元気にしてたか?」


「…うん、元気だよ。ごめん…ちょっと落ち着いてからにしよっかなって思ってて」


「まだ落ち着いてないのか?」


「うーん…落ち着いたと思うけど。ゆっくり話せる時に…って思ってたから」


「そうか?なら…近々会えたら嬉しいんだけどな。チョコと弁当のお礼もしたいし」


どんなチョコレートなのか知らない西原は、屈託なく笑っている。むつは少し罪悪感を感じつつ、曖昧に頷くしかなかった。

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