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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

事務所の前までやってくると、むつが鍵を開けてドアを引いた。山上に先に入るように促している。その辺は、やはり年長者、 曲がりなりにも社長である山上をたてているのかもしれない。だが、山上は事務所に入ったものの、中までは入っていかず入り口の真ん前で立ち止まっている。


「…ちょっと…寒いから入ってよ」


何で入らないのだと、むつは山上の身体を押し退けるようにして中に入ろうとしたが、えっと声を上げて立ち止まった。


「何これ…」


「むつ、入るなよ」


先に我に返ったのは山上で、むつをその場に残してそっと事務所に入った。むつは言われた通り、入らずに山上の背中を見ていた。


事務所の中に入った山上は、ざっと室内を見渡した。ほんの1時間空けただけだというのに、出た時の事務所はそこにはない。床には棚に並んでいたファイルが、中の書類をぶちまけなが落ちている。それに椅子が、何故か机から離れた所にあったり、マグカップが倒れてコーヒーが、ぽたぽたと垂れている。机の上もぐちゃぐちゃに散らかっているし、色々な物があった位置から離れて転がっている。


「…社長?」


「どうすっか…通報するか?とりあえず…誰も居ないみたいだから大丈夫だ。入ってこい」


「うん…」


むつは事務所に入ると、ぱたんっとドアを閉めた。

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