みなうちに
「何だろうな?お前のチョコが普通じゃなかったから、嫌だったんじゃないのか?」
「えー?関係なくない?普通じゃなくても、残さず食べてくれてたし…社長も知ってて食べてくれたじゃん。でも、嫌だからって叩いてこないし」
「んな事で叩くか。腹壊したわけじゃねぇし、害はないからな。有り難く頂くのが、あれらにとっての供養だ」
「…坊さんみたいな事言うじゃん」
「たまにはな。んな事より、うちの子たちだな…何で急に?あ、反抗期か?」
「皆して?やだぁ…お姉ちゃん泣いちゃう」
ぼっさぼさになった髪の毛を適当に直しながら、むつは奥にある狭いキッチンでコーヒーをいれると戻ってきた。とんっと山上の前にも、コーヒーを置いたむつは空いている椅子を引っ張ってくると山上の前に座った。とてもじゃないが、社長とただの社員とは思えない関係であった。
「お姉ちゃん泣いちゃうはさておき、でも本当に何なんだろうな?お前だけじゃなくて、全員ちょっかいかけられてるからな。何かあったんなら、言って欲しいんだがなぁ…」
「うーん…年末にお酒貰いに出掛けて呑んで依頼、お出掛け出来てないからかしら?やっぱしお外に出ないと嫌なのかなぁ?」
「可能性はあるな。でも、出入り出来ないわけじゃないだろ?封印しちまってるわけじゃないしな」
「そうなんだよね。何なんだろ…」
ずずっとコーヒーをすすったむつは、倉庫の方に目を向けた。だが、ドアが閉まっているから中の様子までは分からなかった。




