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ちぇんじんぐ
外に出た三人は、むつを真ん中に挟むようにして夜の繁華街を歩いた。すでに気分よさそうに酔った人たちが居る。
金曜日の夜は、土日が休みという健全的な会社に勤める者にとっては、とっておきの日だ。
むつも颯介も祐斗も明日も仕事だ。酔っぱらいを羨ましさ半分、鬱陶しさ半分に眺めつつ、人気の少ない方に歩いていく。
「週末だから混んでるのかなぁ」
むつは少し心配そうにしつつも、赤提灯が見えてくると、嬉しそうな表情に変わっていった。どうやら、週末だろうと何だろうと、関係なさそうだ。
三人は暖簾をくぐって、店内に足を踏み入れた。今夜もどうやら、閑古鳥が鳴いているようだ。
「お、いらっしゃーい。暇だよ」
「いつも通りで何より」
「戸井さん、こんばんは」
ひょろりと痩せこけた男は、厨房から身を乗り出すようにして、ひらひらと手を振っている。
「こんばんは。湯野さんお久しぶりじゃないですか~お元気でしたか?」
「えぇ。戸井さんも相変わらずそうで」
「へへっ」
三人は奥の座敷に座ると、冷えたビールで乾杯した。戸井が適当に出してくれた物をつまみながら、ゆっくり食事と酒を楽しんだ。




