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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

冬四郎と篠田が、むつに使われている頃、菜々と祐斗はコインランドリーで乾燥機が動いているのを眺めていた。ごうんごうんっという低い音が響いているだけで、他には何の音もない。それに人も居ない。


挙動不審に辺りを見ていた祐斗は、沈黙に耐えられなくなったかのように、はぁと息をついた。ついさっきまでは、何故服を洗濯するはめになったのかを菜々から聞いていたが、それも終わると他に話が続かない。


「菜々さん…」


「うん?」


「あの、さっきの話の続きなんですけど…」


「…あ、偽物の言ってた事?あんまり気にしなくていいよ。あたしが言ったわけでもないし」


「そうかもしれませんけど…気になっちゃって。それに、俺も菜々さんにどう思われてるのか気になりますし」


「…えっ?」


「いや、その…今日、むつさんの所でチョコを作るのにこさめさんが来てるっていうのは篠田さんの為に、じゃないですか。むつさんは…誰にか分かりませんけど。だから、菜々さんは誰に手作りしてまで渡すのかなとか…連絡もいつも俺からですし、迷惑だと思われてないかなとか」


「えっ…え?」


「その…うーん…まぁ俺は…菜々さんの事が気になるってくらいでしかないので。だから、クリスマス誘うのは早すぎたかなって後悔したりもして…でも結果的には一緒に過ごせて本当に楽しかったし嬉しかったんですよ」


そう言った祐斗は、うーんっと悩むような声をあげている。

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