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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ちぇんじんぐ

週末に篠田の所に行き、帰ってきてから祐斗の初仕事を見守り、何だかんだとようやく次の週末がやってきた。


黒髪に眼鏡の一見地味そうな女、玉奥むつは2週間ほど休みなしで、少しばかり疲れていた。


「早く帰りたいなぁ」


頬杖をつき、盛大な欠伸をしながらむつが呟いた。もう1時間くらい前から同じ事を、時折思い出したかのように言っていた。


社長である山上は居らず、目の前に居るのは30代の爽やかな雰囲気の湯野颯介と童顔の青年、谷代祐斗だった。


早く帰りたいのは、颯介も同じだった。


祐斗に関しては、普段なら土日と祝日しか来れないのでそうでもなく、真面目にデスクワークに専念していた。


「あと30分が長い…お腹も空いたぁ~あ‼颯介さん今日暇?呑みに行かない?久々に鶏いち」


鶏いちという店の名前を聞いて、祐斗がぱっと顔を上げた。そういえば、むつは不在にも関わらず店に料金の先払いをして祐斗は、昼食を奢って貰っていたのを思い出した。


「祐斗も行く?」


顔を上げた祐斗に気付いたむつが聞いた。


「あ、はい…じゃなくて。この前はご馳走さまでした、あの戸井さん所で」


「ん?あぁ、どういたしまして」


何の事なのか、颯介は知っているのか何も言わなかった。その代わり、ぱんぱんと手を叩いた。


「さぁ、むっちゃんも祐斗君も事務処理残ってるよね?あと30分頑張って片付けて、その方が美味しく呑めるよ」


生徒をやる気にさせたい先生のような事を言った。むつと祐斗は、はーいと返事をすると、ちゃんと仕事を始めた。


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