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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

先程、叩いていた時とは違う。先程は偽物が、祐斗にしている事が恥ずかしくて病めさせたいだけだったが、今は祐斗と会いたいからだ。


菜々が懸命に壁を叩き始めたのを、むつはこさめを撫でながら見ていた。やっと、菜々も行動を起こす気になったんだと思うとそれが嬉しい。だからといって、菜々に並んで一緒に壁を叩くつもりはない。そんな事しなくても、じきに壁は壊れる。


背中をつけているむつは、振動が伝わってくるのを感じながら、壁がみしみしと音を立てていくのを聞いていた。


渾身の力をこめたように、菜々がばしんっと壁を叩くと、ばきっという音がした。そして、からからと音を立てて、何かが崩れていく。


こさめを引き寄せて、壁にもたれていたむつは、寄り掛かる物がなくなると、ころんっと仰向けになった。


「こさめ行けーっ‼」


はしゃぐようなむつの声を共に、こさめはぱっと立ち上がるとあっという間に篠田の目の前に迫った。


「直弥のばかーっ‼」

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