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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

菜々は吐いた息が、白く重たい物のように見えた。むつはそれを見ながら、室内の温度がそこまで下がっているのだろうかと不思議に思った。むつが、はぁと息を吐いてみても、白くはなっていない。


まだ、うじうじと悩んでいる菜々が息を漏らした。その吐き出された息が、むつたちを阻んでいる壁に吸い込まれるようにして消えていく。それを見ていたむつは、成る程と納得していた。


これなら祐斗も気付いて当然だ。


「菜々…?」


「むつぅ…」


うつ向いている菜々の肩が、細かく震えている事に気付いたむつは、そっと顔を見た。


「何かさ…何でもはっきりしなくていいと思うよ。今、どうしたい?先の事なんて、後から考えようよ。こさめも怒られるなんて気にせず、バイト始める気だよ?菜々は?今…今どうしたい?あたしはお兄ちゃんの横っ面殴り飛ばしたいんだけど」


「こさめも、直弥をぶん殴りたい」


むつとこさめは顔を見合わせて、ねーっと言っているが、その声は低い。目に涙を溜めていた菜々は、きょとんっとした顔で2人を見ていた。



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