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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

「…フレンチトースト食べた後にさ、チョコテリーヌにムースにガトーショコラって、重たくない?」


「そう?あたしは平気よ」


「こさめも平気」


菜々の甘党具合を知ってはいたが、こさめもかなりの甘党らしい。甘い物は好きでも、こうも甘い物が続くと、むつは少し辛いかもと思っていた。菜々の作ったホットチョコを飲まないわけにもいかないからか、濃いめのコーヒーは別にマグカップに並々といれてある。


「とりあえず、むつのから味見しよっかな」


テリーヌは、ねっとりとしていて濃厚なチョコレートの味がする。その甘さの中に、微かにブランデーの香りもまじっていて、大人向けな感じがしている。


「うわ…美味しいっ‼えー…むつ、これ、あたしにも分けてくれない?木戸さんにも食べさせてあげたいわ」


「こさめも、お持ち帰りする」


「うん、ちゃんとそのつもりだよ」


その後は、菜々のガトーショコラ、こさめのムースを食べた。外側はさっくりと、中はしっとりとしているガトーショコラも、あっさりとして、軽い口溶けのムースも美味しい。だが、どれもやはりチョコレートの味でしかない。


「…しょっぱいもの欲しいかも」


「気持ちは分かるかも」


「菜々でも流石にそう思うんだ?」


「口の中、全部チョコ。部屋の中も…てか、息さえチョコだもん…むつ、あんた甘ったるい香りがするわよ」


「菜々もだよ」


むつと菜々は顔を見合わせて、くすくすと笑った。そして、仕上げにラッピングをしようと、百円ショップで買ってきた物を広げた。




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