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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

「おじ様から、ネックレス?本当に?あのおじ様が?本当に?本当に?」


むつの父親の事もよく知っている菜々は、驚きを隠せずに何度も聞いてくる。むつは、そんなに疑わなくてもと笑った。


「うん…この前の時に無くしちゃったのを知ってるから…その代わりに着けなさいだってさ」


むつはメッセージカードを菜々に渡した。ピンク色で、透かしの入ったメッセージカードには、やや達筆な文字が並んでいる。最後には、父よりと書いてあり、本当にむつの父親からなのだと分かる。


「ふーん…可愛いじゃん。これをお父さんがねぇ…勇気のいった事だろうな」


くすくすと笑いながら、むつはそれでも嬉しさを隠せない様子で、いそいそとネックレスをつけた。ひんやりとしたチェーンが、そこにしっかりとネックレスがあると伝えてくれている。


「いいなーっ‼むつのお父さん優しいね。こさめ、お父さんもお母さんも覚えてないからなぁ…直弥がお父さんでもあるのかな?」


「そうね。こさめのお父さんは篠田さんね」


「うん…直弥が居なかったら、こさめは死んでたと思う。本当に直弥には、感謝してるんだ。それに大好きだし」


「知ってるわよ、篠田さんもこさめが大好きだよねぇ。あーもう…はいはい、ご馳走さま」


「何よーご馳走さまって」


親とはぐれて弱っている所を篠田に拾われたこさめは、心底羨ましそうだった。菜々はそんなこさめを見ながら、本当の両親を知らないむつと、こさめと比べてしまうと、自分がどれほど恵まれた環境にいるのかを知った。


「菜々が作ったホットチョコ飲んでもないくせに、ご馳走さまは早いってば」


「…え?あたしのもあるの?」


むつが菜々の方を見ると、菜々はテーブルに置いたマグカップをむつに渡した。


「あ、ありがと…でも、甘いのはもう…もう少しコーヒー足してこようかな」


「味見してからにして‼ばかっ」


「あ、そうだ。味見しよ?菜々のも焼き上がってるでしょ?まだオーブンからも出してなかったや」


マグカップをテーブルに置いたむつは、逃げるようにキッチンに行った。



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