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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

「持って産まれた物は変えようがない。努力して変わる物もあるかもしれないけどさ…歳が離れてるっていうのも大きな悩みだよね。ましてや、こっちが歳上なんだもん。努力しても変えられない物と付き合っていくって、常に悩みだよね」


むつはそう呟くと、タバコをくわえた。ふーっと煙を吐き出して、コーヒーをすすってた。菜々は困ったように頷くと、また溜め息を漏らした。その溜め息は、ボウルの中のチョコレートに吸い込まれていくようだった。


そして何か思ったのか、むつはくわえタバコのまま置いてある携帯を手にした。誰からの連絡はないが、むつは手早くメッセージを送った。そんな事をしていると、ピンポーンっとチャイムが鳴った。


「あら?篠田さんにしては早すぎるわよね」


ドアフォンを確認したむつは、はーいといって受話器を取った。どうぞ、と行っているという事は、知っている人でも来たのだろうか。菜々とこさめが、誰?という顔をしている。


「宅配便だった。何だろう…」


再びチャイムが鳴ると、むつは灰皿にタバコを置いて、ぱたぱたと玄関に向かっていき、一言二言と言葉を交わしてすぐにドアを閉めて戻ってきた。


小箱を持って戻ってきたむつは、それをテーブルに置くと、さっそく開け始めていた。菜々は出来上がったホットチョコを入れて鍋をさっと洗うと、こさめと一緒にむつの手元を見た。


「誰からなの?」


「お父さんからだった…荷物が届くなんて初めてだわ…何なんだろ?」


小箱の中には、ラッピングされた可愛らしい箱がさらに入っていた。リボンをしゅっとほどいて箱を開けると、ネックレスが入っていた。小さなチャームは鳥籠のようなかこいの中に、小さく光るガラス玉が入っている。それと共に、メッセージカードも入っている。むつは、それを見て、くすっと笑っていた。

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