表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
1184/1310

あまいゆうわく

「そっか…」


菜々はそう呟いて、また牛乳を足してゴムベラをゆっくりと動かした。むつは能力の事を常に気にしている。それは、付き合いの長い菜々には、よく分かっていた。それがネックになって、人付き合いが嫌になっていた時があるのも、よくよく知っている。本当に好きな人が出来た時、それがネックにならないはずがない。こさめもそうだ。自分でも言っていたが、こさめは人ではない。それでも篠田を好きだと言い切っているし、篠田もそんなこさめを受け入れている。それは、篠田という人物の心の容量が大きいから、受け入れられているのだろう。


むつとこさめの事を考えると自分の悩みは、さほど大きな物のようには思えない。だが、やはり悩んでしまう。相手にどう思われているか分からないから、余計にそうだ。


祐斗はわりとこまめに連絡をくれるし、色々と話してもくれる。アルバイトの事から学校の事まで。祐斗にとって自分はむつの友達であり、むつ以外に相談できるだけの姉のような存在なのではないだろうか。そうやって考えていくと、自分はやはり祐斗の事が気になって気になって仕方なくなる。


自分は、どうしてしまったのだろう。どうしたいのだろうか。答えの出ない悩みを、ぐるぐると考えながら、菜々は重たい溜め息を漏らした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ