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あまいゆうわく
「それで…何があったんですか?玉奥の方から何も聞いてませんので、ご説明頂けますか?」
「あ、はい…玉奥さんにも細かくは話してないんで…あ、とりあえずどうぞ。お茶でもいれますから」
「いえ、お構い無く…それよりも、お話の方を。何か沢山居ますね…いつからですか?」
沢山居ますと言われ、女性は不振そうに祐斗を見た。つい言ってしまったが、これでは悪徳商業と変わりない。だが、悪い物が寄り付かないように、お札を水をとすすめるわけではない。すすめたとしても、よろず屋から出す物であれば本物だし、それは料金に含まれるし高値でもない。だな、そんな事は素人に分かるはずもない。気合いが空回りしていると気付いた祐斗は、少し恥ずかしそうにうつ向いた。
「あの…」
女性が不振がって、話してくれなくなったのかと思うと祐斗は、どうしたらいいのか分からなくなった。ここで、むつに電話するわけにもいかず、女性が話してくれるのを待つしかなかった。




