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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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あまいゆうわく

「ほお…むつもバレンタインは手作りか」


「むっちゃんのは去年も手作りだったじゃないですか…忘れちゃいましたか?」


「いや、覚えてる。あいつ…料理出来るくせにチョコは苦手だとか言ってたな」


「えぇ…何故か焦げ臭かったんですよね。溶かして固めただけのチョコだったはずですけど」


今年はこさめと菜々も一緒に作るのかと思うと、尚更に期待は出来ないと颯介と山上は顔を見合わせた。


「篠田も祐斗も期待はするなよ」


「ある意味の期待は出来そうですね。どんな仕上がりか楽しみですよ」


「えっ…!?お、俺っすか?」


「何だ?朋枝さんも一緒に作るなら、朋枝さんのはお前行きじゃないのか?」


「え…いや…そんな事はないと思います…はい…あ、俺そろそろ行きます。篠田さん、ゆっくりしていってくださいね」


祐斗は何となくそわそわと落ち着きなく、鞄を持つと事務所を出た。菜々も一緒であれば、作った物は祐斗の元へ来る可能性も否定は出来ないが、そこまでの仲でもない。だが、篠田の嬉しそうな顔を見ていたら羨ましくて仕方ない。義理でも何でも、菜々からのが貰えたらな、と祐斗はほんの少し期待をしていた。


「…俺が変な期待を持たせたか?」


「かもしれません…私も余計な事を言い過ぎました」


「この時期は男の子もそわそわしますからね。特に祐斗君は、微妙な感じなんでしょうし」


「だな…」


祐斗が出ていったドアを見ながら、年長者3人は、若い子に悪い事をしたと少しばかり反省していた。

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