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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ごじつ

『むつと菜々ちゃんのお陰で、俺たちは親父からゴルフバットで殴られかけたし、後片付けは押し付けられたしで、散々な目に遇ったぞ?…あ、お兄ちゃん』


むつの後ろに、ぬっと影が見えたと思ったらむつのすぐ横から、顔を出したのは西原も見覚えのある顔だった。むつの1番上の兄であり、警察署の署長を勤めている宮前 晃だった。


「………」


よっこらせ、と後ろに座った晃はむつを自分の膝の上に乗せたようだった。少しだけむつの顔が晃に近くなり、頬を寄せ合うようになっている。


『お、西原君。今日は非番か?』


「は、はい」


突然、割り込んできた晃に西原はどう対応したらいいものかと、悩んだし急な事で緊張もした。とりあえず、上司の前だからなのか、だらっとした感じでは失礼だと正座をして座り直した。


『もーっ‼お兄ちゃんが割り込むから、先輩が正座なんかしちゃってるでしょ?先輩、休みなんだからかしこまらなくていいの。お兄ちゃんも休みなんだし』


「いや、まぁ…そうは言われても」


『そうだな。気楽にしてくれるか?俺はむつが戻ってこないから様子を見に来ただけだしな。それにしても、むつと西原君はだいぶ仲良いんだな?夜中も寝ずに電話してただろ?』


「あ、いえ、それは私ではなくて」


『そーだよー?先輩の事で寝れなかったの。だから寝不足…今日除夜の鐘いけるかなぁ?』


むつが振り向いて言うと、晃はくっと笑った。妹大好きな晃の事だから、寝不足の原因となった西原に文句を言ったりするかと思ったが、意外とそうでもなかった。ただ、むつの長い髪の毛を撫でただけだった。


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