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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ごじつ

「むつさん…俺、役に立ってますか?」


『役に立ってるわよ?先輩の状態に気付いたんだから、こうして片車輪も来てくれたんだし』


「ですかね」


『魂鎮めとか出来るようになろっか。あたしもこのまんまじゃダメだわ』


誘われるように言われた祐斗は、むつと一緒に特訓するなら何とかなるんじゃないかという気になっていた。それに、むつがよろず屋を辞めたりせずに、何とかやっていけるようにしようとしていると分かると、それが嬉しくも思った。


「それより、何か代わりになる物ですよね。あの…鈴って、むつさんが貰ったやつですよね?西原さんにあげて、西原さん無くしちゃったんですか?」


『ううん。百鬼夜行が出現した時に、鈴も無くなったって言ってたから…役目を終えたんだと思ってた』


「無くなったって…勝手に無くなるもんなんですか?」


『力のある物だからね。あたしの人形がふわっと消えたのと同じだと思うよ』


「だったら、あの人形にも力はあるって事ですよね?それを西原さんにあげたらいいんじゃないですか?」


『かもしれない。それ持ってる?ってか、百鬼夜行の後に戻ってきたの?』


「戻ってきてますよ。ちょっとお酒臭かったんで…倉庫のみんなと呑んでたのかもしれませんけど」


『なら、その子にしばらくは先輩の所に居て貰おうかしらね…取りに行けそう?』


「………」


祐斗は財布を持って中身を確認して、返事に困っていた。免許を持っていない祐斗は、西原のバイクも車も使うわけにはいかない。そうなると、タクシーを使う事になるわけだが、帰省前にタクシーを使っての往復となると少し厳しい。


『…片車輪に頼むしかないわね。結局は、頭じゃなくて身体を使って貰ってるわね。まぁ似合ってるけど』


ちらっと祐斗は片車輪を見た。腕を振り上げて、うるさそうに人魂たちを蹴散らしている。


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