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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ごじつ

マンションに戻ってきた祐斗は、鍵を開けてドアノブに手をかけた。だが、その手を片車輪が掴んだ。


「待ちや。何やねん…この感じ」


「え?どうした?」


「谷代君は霊感あるくせに、ちっとばかし鈍感やな?部屋ん中に意識を向けてみいや」


片車輪の言い様は酷いと思ったが、祐斗はドアを開ける前に部屋に意識を向けてみた。透視が出来るわけではないから、意識を向けたところでと思いはした。だが、意識を向けてみると、途端に鳥肌が立ってきた。ぞわぞわっとした感じが、身体中に広がっていき気温的な寒さではない寒気に襲われた。


「あかんな…西原君は中やな?」


こくこくと祐斗が頷くと、片車輪はドアを開けてずかずかと中へと入っていく。祐斗が電気をつけっぱなしにして出ていったからか、玄関な明るいままだった。片車輪に続いて中へと入った祐斗は、あっと声をあげた。


人魂は寝室で西原を取り囲む程度だけのはずだったが、今となってみるとダイニングにまで溢れるようにして漂っている。ひそひそとこそこそと何かを言っている。それはもうノイズではなく、頭に響いてくるような感じだった。


「むつちゃん、どないしたらええ?」


『…このさ迷ってる人魂たちをいくべき所に向かわせるか、先輩にたからないようにしないと』


「せやけど…どないして?いや、先ず説明や。むつちゃんは人魂がたかってる理由が分かる言うてたな?」


『うん…片車輪にも祐斗にもそれだけ沢山の人魂が居たら聞こえてくるんじゃやい?彼らの声が』


落ち着いているむつに言われた通り、祐斗は人魂たちの声とやらに耳を傾けた。沢山の人魂に囲まれているからか、密やかな声でも聞き取る事が出来た。

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