表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
1115/1310

ごじつ

『先輩を起こして‼』


「はいっ‼西原さんっ‼西原さんっ‼」


祐斗は携帯を置くと、西原の肩をつかんでがくがくと揺さぶってみた。だが、それだけされても西原は起きる気配を見せない。普段の西原の寝起きがどうかは知らないが、警官という職業に就いているのだから、何かあればすぐに起きそうなのに、西原は起きない。


「むつさん…ダメです。起きません…」


『もう…結構すぐに起きる人なのに…ね、祐斗協力者増やそう。このまんまじゃどうにもならないよ…』


「ですが、どうやって?湯野さんも帰省してますし、社長はたぶん旅行ですよ」


『うん。知ってる…知り合いの妖を呼んできて。居るでしょ?強面だけど面倒見よくて、先輩と仲良しな妖が1人』


むつの言葉を聞き祐斗は首を傾げた。むつに妖の知り合いが多いのは知っているが、西原もいつの間にかそんな知り合いが出来ていたのだろうか。


『片車輪よ‼海の方に向かいながら、叫んだら出てきてくれるから、呼んできて』


「あっ…はいっ‼あ、でもここオートロック…」


『玄関に靴箱あったでしょ?その上に灰皿みたいなやつがあるから、その中にキーケースも置いてるはず。昔と変わらなければ』


祐斗は西原を寝かせると、玄関に向かった。ぱちぱちと電気をつけて、むつに言われた場所を見ると、浅い皿のような物の中に、使い古してるようなキーケースがあった。祐斗はそれを掴み、上着を着るとばたばたと部屋から出た。


真夜中に1人で外に出るというのは、少し怖くもあったが、そんな事を言ってられる状況ではない。祐斗は携帯を握り締めたまま、夏に訪れた事のある海の方へと走っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ