ごじつ
祐斗がかなり集中していると感じてか、むつは何も言わない。祐斗は画面を西原の方に向けつつ、自身の目でしっかりと西原の方を見ていた。
何故、西原にこうも人魂がたかっているのか。ついこの前、一緒に百鬼夜行に巻き込まれたり、大掃除の後で忘年会に参加して貰った時には、そんな感じは一切なかったというのに、この数日で何があったのかと祐斗は悩んだ。だが、西原はどこかへ行ったとも、何かがあったとも言ってはいなかった。そうなると、西原からあの人魂たちに、何かをしたわけではないという事だろう。
「…むつさん?西原さんも霊になつかれる体質でしたっけ?」
『うーん…どうなんだろ?あの人は誰とか何とか関係なく優しいから。なつかれるのかもしれないけど…こんな事になってるのは…今までにないんじゃないかな?あたしは知らないかな』
付き合いが長いようでそうでもないむつは、少し寂しげな感じで言っていた。
「何か惹き付ける物があるんでしょうね…でも、部屋の中とかにはそんな力のありそうな物はないですし。それなら西原さんにたかる必要ないですよね…」
『先輩自身に何かあるのかも…』
「西原さん何か身に付けてたとは思えないですけど…」
『うん。金属アレルギー出るから…貴金属系はつけないし。寝るのに何か持ったりはしないだろうし…ってなると、原因は先輩に有りって所かしら?』
「そうなっちゃいますけど…」
『ね、その人魂たちは皆子供とかって事はない?』
「いや…そんな感じはしませんね」
『どんな感じ?よく視てみて…それは、祐斗にしか分からない事だから』




