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ごじつ
そろそろ寝ると西原に言われて祐斗は電気を消すと、もぞもぞと布団に潜り込んだ。西原はよほど疲れているのか、部屋が暗くなると、あっという間に眠りについていた。
すやすやと規則正しい寝息が聞こえてくると、祐斗はのっそりと起き上がった。そして、そっとベッドで横になっている西原の顔を見た。寝息は穏やかではあるが、うなされているのかぎりっと歯を食いしばったりして苦しそうでもある。
祐斗は西原を起こさないようにと、布団から出てダイニングの方に行った。室内が真っ暗だからか、携帯のほのかな明かりで足元を照らしていた。だが、すぐにその携帯の明かりも消えた。暖房もきってあるからか、ひんやりと冷たい室内では早くも息が白くなりそうだった。空気が冷えきっているからか、すっかりは酒は抜けたし眠気もやってはこない。それよりも、祐斗は微かに緊張していた。
寝室へと続くドアは開けてあるからか、西原は寒いかもしれないが祐斗はそんな事には構う事もなく、ダイニングと寝室との間に立っていた。そして、西原が寝ている方へと視線を向けていた。




