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ひとりきり
ばしんっとむつより、やや強めに山上は祐斗の頭を叩いた。
「あほ。お前の先輩に全部、ありのままに報告をしろ。西原にも迷惑かけやがって。おーい、むつ後任せた」
「おっけー。って、帰る?コーヒーいれちゃったのに」
むつはお盆を持って出てきた。山上はそのお盆から自分のマグカップを取ると、キッチンに入っていった。
にげぇ、と呟く声とぼそぼそとむつに何か言う声がした。むつが頷くと、山上はタバコでも吸い始めたのか、換気扇の音が聞こえてきた。
お盆を手にしたむつは、立ちすくんでいる祐斗に向かって奥に行くように、顎をしゃくって見せた。祐斗は無言のまま、西原が待っているソファーの方に向かった。
手持ちぶさたな感じの西原は、しょんぼりとした祐斗を見て少し笑った。
「ほらな。仕事どうのより、心配かけた事を言われたろ?」
西原は、むつが出したコーヒーをすすりながら、少し顔をしかめた。
「濃くしすぎじゃない?」
「目が覚めるわよ」
そう言うむつの目の下には、うっすらと隈が出来ていた。祐斗は、ますます申し訳なくなってしまった。




