この前見た夢の話
私しかいない教室
窓から見える高い廃れたビルの上に
母が無機質な顔で立っていた
私は何故かやめて、と言うと
母は口角を引き伸ばしただけの笑みを向け
飛び降りてみせた
私は何か叫んでいるようだったが
目はカラカラに乾いていた
真っ白な病室
母は自殺に失敗したようだった
包帯だらけで、両眼が潰れていた
母の手を握ると、私とわかったみたいだった
飛び降りる前の笑みとは違う
ふわりと、心から微笑んだ様に見えた
私は声を詰まらせながら、よかっただの、なんでだのと訴えていた
普通なら泣きついているだろう
しかし決まったように涙は出てこなかった
泣いているような声で、縋りつづけた
ああ、母の両眼が潰れててよかった
えっ
・・・・
目をあける。気分は最悪だった。
あくびをする。目の下がぬれる。
それに安堵し、布団から出た。